ふたたびあの店へ…
「世界一気持ちいいマッサージ タイ古式」
と、掲げられたお店へと2度目の来店をした私は、今度は120分のコースを選びました。
前回のブログにも書きましたが
再び あの青年が私を担当してくれました。
正直、あの青年に会いたかったわけではありません。ただ単にもう1度タイ古式マッサージを受けたかったのです。
担当が誰なのか?とか、そんなことは一切考えていませんでした。
ところが…その日も偶然!あの青年が私を担当してくれたのでした。
青年も私のことを覚えていてくれたことは、その表情から直ぐに分かりました。
私を見るなり、笑顔でコクンと頷く様な仕草で施術を行う部屋の方向を手で指し示しながら誘導してくれました。
それは、明らかに1度目よりもフレンドリーな感じとして私を受けいれてくれている様にも思いました。
奥の部屋へと案内され、いよいよ施術が始まりました。
やはり、あの時と同じく丁寧に丁寧に私の身体を扱ってくれました。
私は、始まると直ぐに呼吸を整えたのを覚えています。
青年の指や手の平、肘や足が運ばれて行く感覚を私が感じうる全ての感覚を使って味わうことにしました。これは自分がセラピストであるが故の性だと思います。
気がつくと…私が青年の呼吸に合わせているのか?青年が私の呼吸に合わせているのか?一体となっている様な感覚さえありました。
これが、“世界一気持ちマッサージ”なのかぁ…と、改めて思いました。
こうして120分のコースが終了し、お支払いの為受け付けフロントへ行くと、
タイ人のスタッフと話している会話を聞いて、その男性が日本人であることが分かった私は。直ぐ様その男性に声をかけました。
「タイ古式って気持ちいいですね」
男性「ああ…うちの店は気持ちいいってよく言われますよ」
うちの店は…
私はその言葉を受け止めたのでした!
話の流れで、その男性がこの店のオーナーであることが分かりました。
「私、タイ古式を習いたいです。タイへ行かないと習えないんですか?」
思わずこんな質問をしました。
すると…少しの沈黙のあと
「いいよ!教えますよ」と、オーナー。
「えっ?スクールとか、あるんですか?」
「いや!ないよ!でも貴方が熱心だから…教えますよ」
そう言われた私は
「本当ですか?是非!お願いします!おいくら位で教えて頂けるんですか?」
オーナー「それも含めて、今度、話しましょう」
私は言うまでもなく、心躍りました!
するとそこへ、常連とも思える3人の男性が入って来ました。
オーナーさんが「ああ!こんにちは!どうぞ…」と、そのお客様に挨拶をされたので、この場を早々に切り上げなくてはならないと感じた私に、すかさずオーナーさんが
「どっちかのお店に居るから(2店舗経営している)また改めて店に電話して!うちの子(スタッフ)には伝えておくから」
そう言われ、私は改めて電話をすることにしました。
3度目の来店
しばらくしてから…
3度目の来店は友人を誘って行きました。
これまで整体やアロマ、カイロプラクティック等々、あらゆるマッサージを受けるほどマッサージが大好きな彼女。
それでもタイ古式マッサージは未だ受けたことが無い!とのことで、勢い勇んだ私は、
「まぁ受けてみてよ!本当に気持ちいいんだから!」と… 得意になって友人をこのお店へと案内しました。
私達2人を担当したのは20代くらいのタイ人の女性でした。
普段なら天井から垂れ下がるカーテンで間仕切りするのですが、この日は私達2人が友人同士ということで、間のカーテンは閉めずに、間仕切り無しの空間を演出されました。
わぉ!こんな風にも出来るんだ!
着替えを済ませた私達は隣に座り、お互いの顔を見合わせて思わずニッコリ。
「彼女もあの気持ちいい世界へと誘えるのか〜」そう思うと何故かニヤけてくるのでした。
そして… いよいよ始まりました。
呼吸を整えて再びあの感覚を身体中で味わおうと、
ふぅーーっと…彼女(セラピスト)の手の重さ、圧迫、彼女が触れる指に全ての神経を集中します。
・・・・・・・・・
集中する…集中す…する…す…
んん…?ん?…ん?ん?ん!ん!
ううぅぅーーーーーん!!!!!
ちがっ!ちがう!ちがぁーーーーう!!!
違う!違う!全然違う!!!
その指!(母子)あと指1本分内側!!
ちっ…違う!違う!ズレたままその指はだんだんと上へ上へと運ばれる!
そして、また次のラインへ…
違う!また違う!!
グゥーと重い圧が入って来たかと思えばパッと離され、また入ってくる。
今度こそはと期待をしてみる…
グゥーと入る。神経を集中させる…
入れて欲しいところまで入って来ない!!
で、またスゥッと圧を抜かれる…
そのリズムはバラバラ
呼吸は全く合わず……
これを繰り返された私は
気持ちいいどころか
苛立ち。延いては不快感さえ覚えたのでした。
次の瞬間、気になったのが隣で受けている友人のことでした。
せめて、友人だけは上手な人に当たっていて欲しい。そう願うのでした。
(中略)
90分のコース終了後…
友人に
「どうだった?」
友人「…………」
ここは先手で…
「今回の人、全然気持ち良くなかったよぉ」と、私。
友人「私も気持ちよくなかった。なっちゃん、こんなの気持ちいいって言ってるのかぁって思った」
きょええええぇぇぇーーーー!!
私「ごめん。ごめん。本当にごめん」
友人「マッサージは人によるからね」
流石!受け慣れてる友人!
それでも、申し訳ない気持ちでいっぱいの私でした。
その後の友人とのやり取りは割愛しますが 友人も太っ腹です!
その後は仕切り直しで飲みへと繰り出したのでしたのでした。
失望から生まれた飽くなき探求心
マッサージは受け手とセラピストの相性であることは重々承知しています。
それでもある程度の技術、技量、経験値、知識、精神、人柄 などなどは必要不可欠です。
あの時、初体験で感銘を受けたタイ古式。
再び2度目の感動で今度は自らタイ古式を習得したい!と、切望した私。
そして…
あの、3度目・・・この失望があったからこそ
後に習得することとなる技術に対して疑問に思う心が生まれたのです。
私を飽くなき探求心へと掻き立てることとなった3度目のタイ古式マッサージ。
正解も不正解も
成功も失敗も
誠実も過ちも
全てあってマルなのです。
セラピストとして無いよりあった方がいいこと… それは疑問に思う心ではないでしょうか?
今、施している手技は何処にアプローチしているのか?何の為の技量なのか?…etc
いや… それは全てに通じることなのかも知れません。
さてさて… 私は
こうしたタイ古式マッサージとの出逢いから月日は流れ流れ…4年後にタイ古式マッサージを習得することとなるのでした。
長々お読み頂きありがとうござます。