「世界一気持ちいいマッサージ タイ古式」

こう掲げられた看板に魅了され、釘付けになった私!これが私とタイ古式マッサージとの出逢いでした!

勿論、以前からセラピストとして稼働してきた私ですから、タイ古式マッサージの存在は知っていました。
が…それまでに1度も受けたことは無かったのです。それが…何故か?この日!この時!内なる衝動に突き動かされるかの様にその店へと入店したのでした。
今から16年前の2004年のことでした。

路地へと進みエレベーターで3階へ…エレベーター内で3階へと近づくにつれ場の空気が変わって行くのを感じました。エレベーターの扉が開くとアジアの異国情緒あふれる匂いに懐かしさと心地良さを感じました。

はやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと、お店の扉を開ける…

目に飛び込んで来たのは
アジアの雰囲気溢れる美品…
置物、仏様、天蓋、シルク地の布…
また、店内に流れる癒しの音楽…異国情緒たっぷりの空間の中に私が居ることに何の違和感も感じないくらい、その場に佇んでいました。

すぐさま1人のスタッフが、
「いらっしゃいませ」と声をかけて来ました。

明らかに日本人ではなく、タイ人でしょうか?30代くらいの女性です。
コースを聞かれ、数あるコースの中から今回は60分のコースを選びました。

そして5床くらいある布団の真ん中辺りの布団(タイマット)へと誘導されました。
天井から吊るされたカーテンを閉められ、この服に着替える様にと説明を受け、着替えが済んだら、上向きで横になる様にとたどたどしい日本語で説明を受けた私は、言われた通り着替えを済ませ、枕に頭を乗せて仰向けで待っていました。

もう、ただただそれだけで気持ちが良いのです。店内を流れる音楽と匂いに包まれながら待つこと2、3 分だったでしょうか?

カーテンを開けて中に入って来たのは…
20代くらいの若い“タイの青年”でした。
顔立ちも良く純粋な…まるで修行僧の様な青年でした。胸の前で合掌をするポーズ(後に知ったのですが、これは相手を敬う為の「ワーイ」と云う挨拶だそうです)で頭を垂れ、私に挨拶をされました。

私も思わず起き上がり、胸の前で合掌し同じポーズで挨拶をしました。

何より、その青年の瞳が淀みなく美しかったこと…16年経った今でもハッキリ覚えています。

そして…私は再び横になりました。
そして、その青年は私の足元で膝を突いて、再び胸の前で合掌し祈るかの様に呼吸を整えたあと…
スゥーーッと私の両足の裏に手を置き…
いよいよそれは始まったのでした。

こうして書き綴っていても、あの時の空気感が蘇って来る様です。

その青年の手が私の足首に触れる。
えっ?そんな角度に曲げたことない!という方向へと優しく曲げて圧をかけ緩める。そして、その手が足首からふくらはぎ、ふくらはぎから太ももへと一定の圧をかけながら上がって来る。そして...太ももの付け根でその手(手掌)は止まる。一定の時間ステイすると、その手が離れ、今度は左脚へ…

ん?ん?今、書いてて思った!!
これ官能小説じゃないですからねーーーッ!
(((( ̄▽ ̄;)))) 笑!

そして、左脚への圧迫!!!!
な…なんだこれは…!?!?
この感覚は…!?いったいこれは何!?
(これを後にタイ圧迫であると知るのですが) そう!そこ!そこ!と、触れて欲しい場所へと的確に指が運ばれる!!
一定の圧をかけられると、また次の場所へ… そしてまた次のポイントへと一定の圧迫をかける…
受けていて、それはまるで布団(タイマット)に沈み込む様な...波に乗っている様な..何とも不思議な感覚に包まれるのでした

わたし…これまで生きてきて
他人からこんなにも身体を大切にされたこと…あっただろうか?そう思うほどの衝撃でした。

それはまるで、
幾多の転生を繰り返してきた魂。
その魂が宿る身体…
その今世、私が選んだ身体。その身体である館に対し敬意を表し隅々まで浄化してくれている… そんな感覚さえ感じたのでした。

大切に扱われている…
それを心身共に感じた私は
知らず知らずに涙が溢れていました。

それを知られてはいけないと
髪を払う振りをして涙を拭ったのでした。

(中略)

60分のコースを終え
青年は再び私の前で膝まずき、ワーイ(合掌)のポーズで深々と挨拶をしてくれました。

思わず私もその青年以上に頭を垂れ、
ワーイで挨拶を返し、満面の笑顔で感謝の気持ちをその青年へと伝えました。

その店を後にし数日間、あの時の感覚が忘れられず その3週間後 再び、その店を訪ねたのでした。

お店の扉を開ける…
あの時と同じノスタルジックな雰囲気。
匂い。音楽。

そして…

再び、あの青年が私を担当してくれたのでした。

これが私のタイ古式マッサージとの出逢いでした。それでも直ぐにタイ古式セラピストとして稼働するには至らなかった私。
その道のり… タイ古式については、また次のブログで書かせて頂けたらと思います。

ちなみに…
その後、今度は友人を連れて何度もこの店へと訪ねたのですが...

それ以来、その青年と会うことはなかったのです。

後で書きますが、この青年が初体験であったからこそ、私のタイ古式への衝動が開けたのだと思います。

正に!!これが私がタイ古式の道へと突き動かされたタイミングだったのだと思います。

タイミングとは…
時間と場所のクロス

同じ時間帯に全く違う場所に居たのでは
出会うはずはありません。当然!

仮に、同じ場所に居たとしても
その時間帯が、ズレていたのでは出会うことは無いでしょう。

この世は全て必然で偶然は無い!
と、云う人も居ます。

いやいや
この世は全て偶然で奇跡の積み重ねだ!
と、云う人も居ます。

さて、どうなんでしょうね?
あのタイ古式マッサージの看板を見て突き動かされ来店した私...。

少なくとも 私は
一期一会であったとしても
人の、心、脳裏、身体に残る
そんなセラピストや存在でありたいと思っています。
あのタイ古式の青年の様に…

最後までお付き合い頂きありがとうございます。

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